人生半ばの童貞

36年のクソ人生を考える

息子

山田洋次監督の息子は私が1番好きな映画である。

中学生の時、学校の体育館で見せられたのが最初だ。寒い日だったことを覚えている。

高校卒業してからは一人暮らしをしたが、時々ふと、この映画のことを思い出した。

そのたびに観た。

この映画に出てくる東京が私の東京のイメージだ。

そんな東京でこの映画の主人公である哲夫みたい恋をして、哲夫みたいに仕事して、哲夫みたいに生きる。

学生の時そんな予感がしていた。何度も観たせいかもしれないけど。

人生も半ば過ぎて、その予感は外れてしまったことは分かった。

気が付けば、映画に出てくるたきさんみたいな人生になってしまった。

でも、私にとって、この映画の実感というかリアリティというか本当さみたいなものは未だに薄れていない。