人生半ばの童貞

36年のクソ人生を考える

旅先の酒

 私は普段はあんまり行かないが、一人旅だと居酒屋によく行く。そこで隣にいるおっさんとかと時々話す。おっさんのどんな話でも優しく聞こえ、どんなおっさんでも愛おしく感じる。この前なんておっさんから、「君は35歳で若いね、何でもできるね、羨ましい」っていわれてしまった。その上、俺が独身だと話すと、自分が好きになる人は、自分のことを好きになる人だから積極的に声をかけなきゃだめよとも言われた。ああ、心底好きだった人は自分のことは全く好きではなかったよ。

 

 まあ、酒はやさしくて甘い。はちみつみたい。人生は糞だ。ずばりうんこだ。酒を飲むことはうんこに、はちみつコーティングをかけるようなものだ。酒を飲む生活は、はちみつうんこだ。外は甘く、中は苦く。酒を飲まない生活はシンプルなうんこだ。苦い。素材本来の味。うん、この味だね。私は、旅先で酒を飲む。